柔軟剤を使わない洗濯(選択)が正解!?知られざる柔軟剤のデメリットとは?
洗濯する際は、洗剤と一緒に「柔軟剤」を使う方も多いのではないでしょうか。衣服に静電気が発生しづらくなったり、いい匂いになったり、柔軟剤にはさまざまなメリットがあります。しかし、実は柔軟剤を使うことによるデメリットも存在するのです。
この記事では、柔軟剤を使わない「洗濯」を「選択」することが正解なのか、知られざる柔軟剤のデメリットについて解説します。柔軟剤を使わずに洗濯物を柔らかく保つ方法を知りたい方は必見です。
目次
●柔軟剤とは?特徴と効果を解説
●柔軟剤を使った洗濯のメリット
・洗濯物が柔らかく仕上がる
・いい香りがつく
・静電気の発生を防ぐ
・花粉の付着を防ぐ
●柔軟剤を使った洗濯のデメリット
・衣類や生地の機能低下につながる
・肌トラブルを起こす原因になる
・洗濯槽に雑菌・カビが増殖する原因になる
●柔軟剤を使わないほうがいい衣類
●柔軟剤を使ったほうがいい衣類
●柔軟剤を使わない洗濯方法
・洗濯表示を確認して洗濯ネットに入れる
・洗剤を適量入れる
・柔軟剤の代わりにごわつき防止効果のある「クエン酸」を入れる
・干す前に繊維を立たせる
・干す時間(乾燥時間)は最小限に留める
●柔軟剤以外で衣類に香りを付ける方法
・ファブリックミスト
・サシェ
●柔軟剤を使うか使わないかは洗濯物による|迷ったときはクリーニングにお任せを
柔軟剤とは?特徴と効果を解説
柔軟剤は、油膜で衣類(繊維)をコーティングしてくれます。洗剤がシャンプーだとしたら、柔軟剤はリンスやコンディショナーのようなものです。洗濯物の汚れを落とすために使うのではなく、洗濯物を柔らかくするために使うものともいえます。
柔軟剤の主な役割は、その名のとおり衣類を柔らかくすることです。また、衣類の静電気を抑え、生地に微細な物質がつくことを防ぐ効果も期待できます。また、衣類に香りをつける役割も担います。
そもそも柔軟剤は、硬水で洗濯する海外で生まれた洗濯アイテムです。硬水で洗濯すると衣類がゴワゴワになりやすいため、生地を柔らかく保つために柔軟剤が誕生したといわれています。そのため、軟水で洗濯する日本においては、柔軟剤を使わなくても支障はありません。柔軟剤を使った洗濯のメリット
柔軟剤を使った洗濯には、次のようなメリットがあります。
- 洗濯物が柔らかく仕上がる
- いい香りがつく
- 静電気の発生を防ぐ
- 花粉の付着を防ぐ
これらのメリットを目的に、柔軟剤を使うほうが多いのではないでしょうか。それぞれの詳細を解説します。
- 洗濯物が柔らかく仕上がる
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柔軟剤は元々洗濯物を柔らかく仕上げるために生まれたアイテムです。そのため、生地がフワフワになることは最大のメリットといえます。
- いい香りがつく
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現在使われている柔軟剤は、さまざまな香りがついています。衣類を自分好みの香りにできることも、柔軟剤を使うメリットです。
- 静電気の発生を防ぐ
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柔軟剤が生地の繊維をコーティングすることで、静電気の発生を防いでくれることもメリットの1つです。
柔軟剤には陽イオンの界面活性剤が含まれており、この成分が静電気を逃してくれます。とくにセーターなど冬用の衣服では、柔軟剤の効果が発揮されやすいです。
- 花粉の付着を防ぐ
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静電気を防ぐことに関連して、柔軟剤を使った衣類には花粉が付着しづらいこともメリットです。 柔軟剤を使うことによって、屋内に花粉を持ち込むリスクも軽減できるでしょう。
柔軟剤を使った洗濯のデメリット
上記で紹介したとおり、柔軟剤にはさまざまなメリットがあります。しかし、次のようなデメリットがあることも理解しておかなければなりません。
- 衣類や生地の機能低下につながる
- 肌トラブルを起こす原因になる
- 洗濯槽に雑菌・カビが増殖する原因になる
ここからは、それぞれのデメリットの理由について解説します。
- 衣類や生地の機能低下につながる
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柔軟剤は生地を油膜でコーティングするアイテムなので、素材によっては衣類や生地の機能低下の原因となります。そのため、柔軟剤を使わないほうがいい衣類も少なくありません。
たとえば、タオルに柔軟剤を使うと、吸水性が損なわれます。また、シルクや羊毛、化学繊維に柔軟剤を使うと、肌触りが悪くなることが多いです。また、型崩れの原因となることもあります。
- 肌トラブルを起こす原因になる
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柔軟剤は生地に成分が残るため、肌トラブルを起こす原因になることもあります。たしかに、柔軟剤によって生地を柔らかくすることで、肌への直接的な刺激は弱まることはメリットです。しかし、柔軟剤に含まれている界面活性剤は石油由来のため、中にはかゆみを感じる人もいます。
そのため、敏感肌の方や赤ちゃんが使用する衣類には、柔軟剤を使わないほうがよい場合もあります。仮に柔軟剤を使用する場合には、用量を守って適量にすることがオススメです。
- 洗濯槽に雑菌・カビが増殖する原因になる
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柔軟剤の成分が、洗濯槽に雑菌・カビが増殖する原因になることもデメリットです。柔軟剤の成分が衣服をコーティングするということは、洗濯槽内部にも少なからず柔軟剤が残っていることがあります。
洗濯槽に残った柔軟剤は雑菌のエサになり、洗剤が洗濯槽の汚れを落とす際の妨げにもなります。そのため、柔軟剤の使用が洗濯槽のカビや衣服の生乾き臭の原因になってしまうこともあるのです。
柔軟剤を使わないほうがいい衣類
ここまで、柔軟剤のデメリットについて紹介しました。柔軟剤のデメリットを考慮すると、次のような直接肌に触れる機会が多い衣類は、柔軟剤を使わずに洗濯することをオススメします。
- ●バスタオル・フェイスタオルなど
- ●ベビー服など
これらの衣類に柔軟剤を使うと、肌荒れトラブルの原因になる可能性があるためです。タオルには柔軟剤を使っているほうが多いかもしれませんが、過度な使用は控えたほうがよいでしょう。
また、次のような繊維(生地)に特性がある衣類も、柔軟剤を使わずに洗濯することがオススメです。
- ●マイクロファイバー製の衣類
- ●ナイロン製の衣類
- ●耐火性の衣類
- ●吸水性の高い生地
これらの生地に柔軟剤を使うと、それぞれの繊維が持つ特性を妨げる原因になります。 なお、先述したタオルへの柔軟剤の使用は、吸水性を悪くする原因です。
柔軟剤を使ったほうがいい衣類
柔軟剤には少なからずデメリットがあります。しかし、もちろん柔軟剤を使ったほうがいい衣類も存在します。たとえば、アウターに柔軟剤を使うことはオススメです。外出時に花粉や化学物質が生地に付着することを防いでくれます。
また、セーターやカーディガンにも、柔軟剤を使ったほうがよいでしょう。静電気を防いでくれるため、冬でも安心して着用できます。柔軟剤を使うべき服には、用量を守って適切に使用してみてください。(なお、香りを付けるために用量より多く柔軟剤を入れると、洗濯槽に柔軟剤が残る原因になります)
柔軟剤を使わない洗濯方法
柔軟剤を使わない場合は、次のようなステップで洗濯しましょう。
- ●洗濯表示を確認して洗濯ネットに入れる
- ●洗剤を適量入れる
- ●柔軟剤の代わりにごわつき防止効果のある「クエン酸」を入れる
- ●干す前に繊維を立たせる
- ●干す時間(乾燥時間)は最小限に留める
それぞれの手順の詳細や理由を解説します。
- 洗濯表示を確認して洗濯ネットに入れる
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まず、洗濯表示を確認して、衣類の生地を確認します。先述したとおり、マイクロファイバー製やナイロン製の衣類など繊維に特徴があるものを洗う場合は、柔軟剤を使いません。また、タオルや肌着を洗う際も、洗剤のみで洗いましょう。これらの衣類は、すべて洗濯ネットに入れることをオススメします。
タオルの場合、柔軟剤を使わないと生地が硬くなるイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、タオルの生地表面にある「パイル(ループ状の糸)」を潰さなければ、タオルのフワフワを保てます。洗濯ネットに入れることでパイルを守れるため、必ず活用しましょう。
傷みやすい衣類や型崩れしやすい衣類も、洗濯ネットに入れることでダメージを最小限に保てます。
- 洗剤を適量入れる
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入れる洗剤は、適量を心がけましょう。臭いを消したかったり、汚れを落としたかったりすると、つい洗剤を多く入れてしまうかもしれません。しかし、洗剤を大量に入れすぎると、濯ぎ残しが発生します。残った洗剤は衣類のごわつきや洗濯槽の雑菌繁殖の原因にもなりますので、決められた用量は守りましょう。
ただし、洗剤が少なすぎても、衣類の汚れを落とせません。そのため、洗剤は「適量」であることが重要です。
- 柔軟剤の代わりにごわつき防止効果のある「クエン酸」を入れる
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柔軟剤の代わりに「クエン酸」を入れると、衣類のごわつきを抑えてくれるためオススメです。クエン酸は酸性で、洗剤の弱アルカリ性と中和するため、洗濯物がふんわりするといわれています。
40Lの水に対して小さじ1杯程度のクエン酸を、最後のすすぎのタイミングで入れてください。クエン酸の量が多すぎると洗濯槽が錆びる原因になるので注意してください。なお、クエン酸の代わりにお酢を入れても同様の効果が期待できます。お酢を入れる場合も、40Lの水に対して小さじ1杯程度が目安量です。
- 干す前に繊維を立たせる
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柔軟剤を使っていない場合、干す前に繊維を立たせてあげるとごわつきを防げます。たとえばタオルを干す場合は、吊るす前に10回ほど振ってみてください。干す前に振ることで、洗濯で潰れた繊維が立ち上がり、肌触りが良くなります
- 干す時間(乾燥時間)は最小限に留める
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最後に、干す時間(乾燥時間)は最小限に留めるようにしましょう。直射日光の下で日中から夕方まで干していたために、洗濯物がゴワゴワになってしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。衣類は過度に干しすぎると繊維が乾燥してパサパサになるため、肌触りが悪くなってしまいます。
また、濡れた状態が続くと雑菌が繁殖して、生乾き臭の原因にもなるので注意しなければなりません。 柔軟剤を使わずに洗濯した場合は、速乾を意識してごわつきと生乾き臭を防止しましょう。速乾のポイントとしては、扇風機やサーキュレーターで風をあてる方法がオススメです。乾燥機を利用してもよいでしょう。
直射日光で乾かす場合は、3時間程度で様子を見ることをオススメします。もし乾いていたら、早めに取り込んでください。
なお、タオルを干す前に10回ほど振ってみることを紹介しましたが、繊維を立たせることで速乾効果も期待できます。
柔軟剤以外で衣類に香りを付ける方法
柔軟剤を使わずに衣類に香りを付ける方法としては、「ファブリックミスト」「サシェ」が挙げられます。それぞれの詳細は次のとおりです。
- ファブリックミスト
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ファブリックミストとは、布製品に香りをつけるためのフレグランススプレーです。カーテンやソファなどにも使えますが、洗濯後の衣類へも使えます。ファブリックミストを使う場合は、色落ちやシミなどが起こらないか目立たない場所でテストしてから、全体にスプレーしましょう。
- サシェ
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サシェはハーブ入りの香り袋です。サシェをクローゼットに入れておけば、一緒に保管している衣類に香りづけできます。サシェは自分好みのハーブで手作りすることも可能なので、趣味として楽しみたい方にもオススメです。
柔軟剤を使うか使わないかは洗濯物による|迷ったときはクリーニングにお任せを
バスタオルやフェイスタオルなどに柔軟剤を使っている方も多いのではないでしょうか。当たり前に柔軟剤を使っている場合も多いですが、柔軟剤を使ったほうがいいのか使わないほうがいいのかという判断は、洗濯物の特性や生地によります。 柔軟剤は衣類の機能低下や肌トラブル、雑菌・カビの原因にもなり得るため、使用前に気を遣いましょう。
また、柔軟剤を使わない場合でも、洗濯物を柔らかく仕上げることは可能です。洗濯ネットに入れて適量の洗剤で洗い、すすぎのタイミングでクエン酸を入れてみてください。乾かす際も、干し方と乾燥時間に注意しましょう。
ただし、柔軟剤を使う洗濯物と使わない洗濯物を分けて洗うことは手間になります。柔軟剤を使わない場合の洗濯方法も、家事の負担を増やしてしまうでしょう。
もし、柔軟剤を使いたくないけれど洗濯が面倒くさいという方は、クリーニングを活用してみてください。クリーニングではそれぞれの衣類に合わせた最適な方法で洗濯物を仕上げてくれます。生乾き臭や肌触りもクリーニングであれば心配しなくてよいでしょう。